GALERIE H2O - オープン企画展「創造する手」

更新: 2009-08-03

オープン企画展「創造する手」

2008年3月1日[土]—3月30日[日]

"手"は口ほどに……

ギャラリーH2Oは、モノ(作品)を、うけとる人を想定した遊び心のある手仕事を、ジャンルを問わずアートと商品の間にあるモノ(作品)として順次紹介していく"遊び場"です。

オープン展として、このギャラリーコンセプトを皆様に知っていただくため、「手」の展覧会を企画しました。繊細、緻密、優美、豪快、迫力といった様々な表現がなされるモノ(作品)が生み出される手はいったいどのような手なのか。制作する道具として一番大事な「手」にあらためてスポットをあててみたいと考えました。

ギャラリーH2Oがこれから紹介していくことになる遊び心のある手仕事の数々は、「手」からはじまります。私たちがこれまでに仕事でかかわった方々や、尊敬する方々の「創造する手」を型で取り、石膏成型されたものに仕事道具を持たせて展示しています。作品はあえておきません。「手」から作品の記憶を呼び起こし、想像していただければ幸いです。

uemura.jpg上村 淳之miyanaga.jpg宮永 東山tamemiya.jpg竹宮 惠子moriguchi.jpg森口 邦彦

「手」を貸してくださった方々

※五十音順・敬称略

  • 池坊 由紀(華道家)
  • 上村 淳之(日本画家)
  • 内山 武夫(美術評論家)
  • 北村 武資(染織家)
  • 竹宮 惠子(漫画家)
  • 富樫 実 (彫刻家)
  • 永田 萌 (絵本作家)
  • 宮永 東山(陶芸家)
  • 村山 明 (木工家)
  • 森口 邦彦(染色家)

オープン企画展「創造する手」に寄せて

内山 武夫(美術評論家)

大向務さんがデザイン事務所の移転を機にギャラリーを開設するという。ギャラリー名のH2Oは運営にあたる4人の姓名に由来するもので、H2は村山秀紀(むらやまひでき)、小澤泰子(おざわひろこ)の御両人の名の頭文字、Oは大向のO。厳密に言えば夫妻(務、久子)でO2だが、濃縮すればロケット燃料にもなるけれど、不安定な過酸化水素H2O2より、安定した旨い水のイメージのH2Oで良かった。

新ギャラリーの狙うところは作り手の、創造性に富みながら、使い手を想定した作品、つまりアートと商品の間にある、遊び心溢れた作品をジャンルを問わず紹介していくことだという。

このコンセプトを広く知ってもらうために企画された「創造する手」展は、美術の創作の様々なジャンルで活躍する方たちの手を型取りして展示するという。「手」は「人」そのものをも意味するが、果たして実際の「手」はどうなのか興味深い。物づくりとは関係ない私だが旧知の運営者の手にまんまと乗せられ、「手」だけでなくこのような駄文を供することとなった。